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上品な家、下品な家。

 

TVなどで紹介される高級な住宅。

高級住宅なのに「ゴチャゴチャして住みづらそう」と思ったことはありませんか?

価格に関わらず「高くても下品な家」「安くても上品な家」が存在します。

 

前回記事にした「ダサい家の特徴」ではデザイン云々以前の「最低限注意したいポイント」をまとめています。

今回の記事は、もう少しデザインに重点を置いて解説します。

 

 


目次

 

■内装材の選び方。

 

■パースで見てみよう。

 

 


■内装材の選び方。

住宅の内装デザインを自分自身で考える時にインターネットや雑誌などで情報を集める人が多いと思います。

「あのデザインも良いし、このデザインも良い」となり、

その結果、色々取り入れていくうちにゴチャゴチャのバランスの悪い下品な家になっていることがあります。

タイル貼りや羽目板貼り、カラークロスはカッコよく見えますが、使い方によっては失敗します。

 

インターネットや雑誌などを見て参考にしたい住宅が同じ価格帯なのかを確認をすることも重要です。

雰囲気を近づけようとしても、安っぽい材料を選ぶと台無しになります。

 

白のクロスの壁にナチュラル色のフローリングと建具、窓枠、その他の家具などの木製部分を基本に、全体のバランスをパースなどで確認しながらタイル貼りや羽目板貼り、カラークロスを選択してください。

 

フローリングに、こげ茶のような濃い色を選択する場合は、建具、窓枠、その他の家具などの木製部分は全て色を統一してバランスを整えることも大切です。

 

 

■パースで見てみよう。

20帖の天井高さ2400mm(2.4m)のパースです。

白クロスの壁にナチュラル色のフローリングと建具、窓枠で一般的な基本の空間です。

これを基本に検討しましょう。

 

タイル貼りや羽目板貼り、カラークロスを全て取り入れました。

かなり落ち着かない空間に感じます。

あえてゴチャゴチャにしていますが、これに近しい下品な家はたまに見かけます。

価格が高いのに下品に見えるのは大抵このパターンです。

 

基本空間に壁を一面だけタイル張りにし、床や建具、窓枠はウォールナット色にして、天井はグレー色にしました。

色を入れた分、狭く感じますが落ち着きのある空間になります。

 

プランや空間の広さによって変わる部分は沢山ありますが、

一つだけ好きなデザインを取り入れ、どこに目線を誘導し、どのように空間を演出するかを考えましょう。

 

参考例として僕が設計した住宅です。

 

赤みの強いマホガニー色のフローリングが要望でしたので、

建具、窓枠なども色を統一しています。

マホガニー色と相性の良いレンガの壁をアクセントにしました。

一部の天井高さを3000mm(3m)にすることにより開放感を演出し、強調するために天井高3000mmの部分だけをマホガニー色の羽目板天井にしています。

壁は白クロスを基調とし、ナチュラル色のフローリングと木製の建具、窓枠、その他の家具などを配置しています。

アクセントに色を使うのではなく丸く切り抜いた壁を採用し圧迫感がなく目線の誘導をしています。

吹き抜け部分の天井の梁を出し、そこだけ色を付けることにより吹き抜けの開放感を強調させています。

空間のアクセントにタイル貼りや羽目板貼り、カラークロスを採用する人が多いですが、必ず必要ではありません。

白い壁のほうが空間は広く見え、アクセントに色を使うと空間は狭く見えます。

わざわざ価格の高い材料を使わなくても、階段や窓も目線誘導になりますので上手く活用しましょう。

空間自体を強調したい場合は、一部だけが強調されないようにアクセントのない演出にします。

 

 

色の統一も重要ですし、素材の相性が良ければ、より洗練された空間になります。

木製の建具や家具などでも本物の木か否か、木の種類、塗装の種類でイメージが大きく変わります。

また、置きたい家具のイメージや位置、照明によっても空間は様変わりします。

「素材や色の相性や統一感」「空間の安心感や開放感」「安っぽい質感を避けること」で是非下品な家になることを回避してください。

 

笠井啓介


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